Gastroenterology消化器内科

対応する主な疾患

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃の内容物の逆流を防ぐためにある食道と胃の境目の「下部食道括約筋」が弱くなったり、胃酸が過剰に分泌されたりすることで、胃液などが食道へ逆流してしまう疾患です。また、食道裂孔ヘルニアといって胃の一部が押し上げられて食道側に飛び出してしまう状態でも、逆流性食道炎が起こりやすくなります。 胃酸の刺激によって食道が炎症を引き起こし、胸やけやのどの違和感、げっぷ、呑酸（どんさん）などの症状が引き起こされます。

食道がん

食道がんは、食道の粘膜に生じる悪性腫瘍（がん）のことです。 食道がんの原因として、喫煙と飲酒が挙げられ、特に日本人に多くみられる扁平上皮癌は、喫煙と飲酒が大きく関わっているとされています。 50～60歳以降から発症することが多く、お酒を飲むと顔が赤くなる方や普段から喫煙も飲酒も行っている方は、より発症リスクが高くなると報告されています。 進行すると胸や背中の痛みや違和感、食べ物のつかえ感、熱いものがしみるなどの症状が現れます。 症状が出現した時には進行しているケースも多く、胃カメラ検査による早期発見・早期治療に努めることが重要です。

慢性胃炎

慢性胃炎は、慢性的に胃の粘膜に炎症が起こる状態のことで、原因の約80％がピロリ菌感染によるものだと報告されています。 胃の痛みや違和感、吐き気などの症状が引き起こされることもありますが、無症状のことも多く、健診などで初めて指摘される場合もあります。 また、ピロリ菌感染による慢性胃炎で胃粘膜の萎縮が進行すると、萎縮性胃炎となり、胃がんや胃潰瘍ができるリスクが高まることが知られています。 胃カメラ検査を行うことで、慢性胃炎（萎縮性胃炎））の有無やピロリ菌感染の有無を推定することが可能です。

胃潰瘍

胃潰瘍は、胃粘膜が炎症を起こし、ただれている状態が深くなったものをいいます。 食べたものは胃へ入った後、胃液によって消化されますが、胃液は強酸性なので、胃は胃粘液を出すことで自身を保護しています。しかし、何らの理由によってこの胃粘液の分泌がうまくいかなくなると、強い胃酸によって、胃壁が傷ついてただれてしまうことで胃潰瘍が起こります。 胃潰瘍の原因の多くがピロリ菌であることが報告されています。その他の原因としてストレスとの関連や、痛み止めなどのお薬、喫煙、飲酒、コーヒーの多飲などがあり、食事など乱れた生活習慣が引き金になることもあります。 胃潰瘍の自覚症状のほとんどが腹痛ですが、その他に突然血を吐くこと（吐血）や、炭のように黒い便（黒色便）が出ることもあります。

胃がん

胃がんは、胃の粘膜に生じる悪性腫瘍（がん）のことです。 胃がんの原因のほとんどがピロリ菌の感染によるものです。ピロリ菌感染がある場合は、除菌することで胃がんのリスクを減らすことができますが、除菌後もリスクがゼロになるわけではありません。 初期の胃がんは多くが無症状であり、進行すると胃やみぞおちの痛みや違和感、吐き気、食欲不振、吐血・黒色便、体重減少などの症状が現れます。 胃がんは、がんによる死因の上位を占めている疾患です（がんの罹患者数では全体の第1位、死亡者数では第2位の疾患です）。その一方で、早期発見・早期治療で完治できるがんでもあります。 症状が出現した時には進行しているケースも多く、40歳を過ぎた方は定期的な胃カメラ検査による早期発見・早期治療に努めることが重要です。

大腸ポリープ

大腸ポリープは、大腸粘膜にできるイボで、40歳過ぎた頃から発症しやすくなります。 大腸ポリープは大きく2種類、腫瘍性とそれ以外のポリープ（非腫瘍性）に分けられます。 腫瘍性のポリープには良性（腺腫）と悪性（がん）があり、良性のポリープが大きくなるにつれて、大腸がんになる確率が高くなります。 そこで、将来がん化する危険のある大腸ポリープ、特に「腺腫（せんしゅ）」と呼ばれるポリープ、またはがんの初期状態であるポリープは速やかに切除して進行を防ぐ必要があります。 大腸ポリープの原因として、高カロリーな食事、過度な飲酒、喫煙、肥満、遺伝などが挙げられます。 大腸ポリープが発生しても、痛みや下痢などの自覚症状はほとんど起こりませんが、ポリープが成長することで、血便などの症状が起こるケースがあります。 大腸カメラ検査では大腸の粘膜を直接観察することができるため、自覚症状が起こらない小さなポリープや平坦な病変でも発見することが可能です。大腸ポリープを発見するためには、極めて有効な検査であり、定期的に大腸カメラ検査を行い、ポリープを切除することで、大腸がんの発生率や死亡率を大きく減らせることがわかっています。

大腸がん

大腸がんは、大腸の粘膜に生じる悪性腫瘍（がん）のことです。 大腸がんの患者数は近年増加傾向にあります。現在、がんで亡くなられる女性の死亡原因でもっとも多いのが大腸がんで、男性の場合も死亡原因の第2位を占めています。また、大腸がんにかかる（罹患）方も男性女性とも第2位で総計では第1位となっています。その一方で、早期発見・早期治療で完治できるがんでもあります。 大腸がんの発症には、「食の欧米化」や「肥満の増加」が大きく関与していると言われ、その他に過度な飲酒、喫煙、遺伝などが原因として挙げられます。 年齢ごとに見ると、50歳を超えると大腸がんにかかる人が急増するため、その前から大腸カメラを行っておくことが有用です。 自覚症状は早期の大腸がんは多くが無症状であり、進行がんへ進行しても、余程サイズが大きくない限り症状が現れにくいとされています。進行してサイズが大きくなると、腹痛、おなかが張るなどのおなかの症状、血便、便が細くなる、便秘などの排便の症状、食欲不振、体重減少、貧血などの全身の症状が現れます。このように症状が出現した時には進行しているケースも多く、40歳を過ぎた方は定期的な大腸カメラ検査による早期発見に努めることが重要です。 また、大腸カメラ検査で大腸ポリープを見つけた場合、将来がん化する危険のある大腸ポリープ、またはがんの初期状態であるポリープは切除する対象となります。これらのポリープを全て切除して早期治療に努めることで、大腸がんの発生率や死亡率を大きく減らせることがわかっています。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症を起こし、潰瘍やびらんが生じる難病の腸炎です。 原因はいまだに不明で、免疫異常、遺伝、腸内細菌、食生活習慣などが関与していると考えられています。 特に20〜30代に多く見られますが、どの年代でも起こり得る疾患であり、年々増加しており、2019年時点で20万人を超えています。 主な症状は、繰り返す下痢や血便（粘血便）、腹痛などがあります。さらに症状がひどくなると、発熱、貧血、体重減少などの症状が現れます。また長期間（8～10年以上）の罹患で大腸がんのリスクが出てきます。 診断には問診（症状やその経過）、血液検査、大腸内視鏡（生検組織検査）、便培養などで感染性腸炎などの他の腸炎との鑑別を行います。 治療は薬物療法をメインに行い、粘膜の炎症を抑える治療を行います。粘膜の炎症が消失した状態（寛解期）になったら、寛解状態をできるだけ長く維持し、再燃を防ぐための治療を行います。重症の場合（高度の出血、穿孔を伴うなど）や内科的治療で治らない場合、がんが併発している場合は手術が優先されることがあります。

内科・消化器内科で行う検査

• 尿検査

• 血液検査

• レントゲン検査

• • 超音波装置

    超音波（エコー）検査は体内をリアルタイムに映し出すことができる非侵襲的な検査です。当院では、キヤノンメディカルシステムズ製の超音波診断装置を用いて腹部エコー検査を実施しております。

    画像提供：オリンパスマーケティング株式会社

• 胃カメラ検査、大腸カメラ検査